2013年7月3日に公開された映画『コングレス未来学会議』。
この記事では、映画『コングレス未来学会議』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。
映画『コングレス未来学会議』の予告編
≪映画『コングレス未来学会議』・予告編≫
ロビン・ライトはかつてハリウッドで活躍した女優です。
40歳になり旬を過ぎて仕事が激減し、シングルマザーになってりました。
彼女は難病の息子を養う必要があるため、大手映画会社ミラマウントと俳優のデータをスキャンし映画で使用する契約を結び、契約の条件により芸能界から引退しました。
そんな彼女に、その20年後さらなる契約が持ち掛けられることになります。
映画『コングレス未来学会議』のあらすじ(ネタバレなし)
ハリウッドの映画で活躍していたロビン・ライトは二人の子供を持つシングルマザー。
40歳を過ぎて仕事が激減し芸能界の世界から遠のいていました。
そんな彼女のもとに大手映画会社ミラマウントより、『俳優の若い姿をデジタルスキャンしてデータ化、多数の映画でそのデータを使用する』こと、そして本人は今後一切映画に出演しない契約を持ちかけられます。
初めは取り合わなかったロビンですが、シングルマザーになり難病の息子を養わなくてはいけない現実に直面していたため、悩んだ末に契約に応じて芸能界から引退します。
かつて現役の頃、出演を断ったSFアクション映画に自身の若い頃の姿をしたCGが多く出演しているのを見ることになるロビンのもとに、20年後、さらなる契約が持ち掛けられることになります。
映画『コングレス未来学会議』の解説
本作は『惑星ソラリス』の原作『ソラリスの陽のもとに』で知られる巨匠スタニスワフ・レムによる原作『泰平ヨンの未来学会議』を映画化しています。
映画の舞台をハリウッドに移し、アニメーションと実写の表現を大胆に駆使して、レムのSF小説の世界をダイナミックに表現しました。
ロビン・ライト本人が本人役として、ハリウッドから一線を退き、母親として難題を乗り越えてゆく役柄で映画に登場しています。
2013年、第66回のカンヌ国際映画祭の監督週間のオープニング作品としてプレミア上映されています。
日本では2015年、東京アニメアワードフェスティバル2015に招待作品として公開されていて、同年に順次、映画館で上映されました。
映画『コングレス未来学会議』のみどころ
『戦場でワルツを』のアリ・フォルマン監督が、近未来の最新技術がどんな世界をもたらすかを奇抜で摩訶不思議な表現で描いています。
自分のCGモデルを取るための装置が大掛かりに作られていてSFの世界観に見えるのですが、一部実際の俳優の名前がそのまま劇中に使われていています。
そのため、まるで現実に起こっている出来事ように見えて不思議な感覚になります。
アニメーションの世界観はとても不思議で、終始奇妙な世界に迷い込むような感覚になりました。
それでも実写のパートとアニメーションのパートはちゃんと破綻せず繋がっており、どんな世界になろうと変わらないものを作品の中に描いています。
映画『コングレス未来学会議』の感想
奇抜な手法で描かれたとても不思議なSF作品になっています。
しかし、作品内で使用されているとされるCG技術は、現実に使われている技術に近いもの(アクションを演じているとされる俳優が実際は別人で、顔のみCGで出演しているなど)があるそうです。
もしかしたらこの映画の内容もまったくの絵空事ではないのかもしれないと思えてきます。
映画『コングレス未来学会議』の登場人物・キャスト
ロビン・ライト役:ロビン・ライト
アル役:ハーヴェイ・カイテル
ドクターベイカー役:ポール・ジアマッティ
アーロン・ライト役:コディ・スミット=マクフィー
ディラン・トゥルーリナー役:ジョン・ハム
ジェフ・グリーン役:ダニー・ヒューストン
サラ・ライト役:サミ・ゲイル
映画『コングレス未来学会議』のスタッフ
監督:アリ・フォルマン
製作:アリ・フォルマン ラインハルト・ブルンディヒ ロビン・ライト
原作:スタニスワフ・レム 『泰平ヨンの未来学会議』
脚本:アリ・フォルマン
アニメーション監督:ヨニ・グッドマン
撮影:ミハウ・エングレルト
編集:ニリ・フェレー
音楽:マックス・リヒター