映画『赤い橋の下のぬるい水』あらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想

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2001年11月3日に公開された映画『赤い橋の下のぬるい水』。
この記事では、映画『赤い橋の下のぬるい水』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。

映画『赤い橋の下のぬるい水』の予告編

≪映画『赤い橋の下のぬるい水』・予告編≫

ホームレスの集落に暮らす、笹野陽介は、尊敬していたタロウを失います。
彼が生きている頃に、代わりに金の仏像を持ってくるように頼まれていた陽介は、彼が遺した言葉にある、赤い橋のたもとにある家へと向かいます。
その家から出てきた女性、サエコを尾行すると、彼女の去った後には、奇妙な水溜まりができていて、、、?

映画『赤い橋の下のぬるい水』のあらすじ(ネタバレなし)

ホームレスの人々が暮らす集落にて過ごす、中年の笹野陽介は、彼の人生の師のような存在であったタロウ失っててしまいます。
彼は、タロウから「能登半島にある菌の仏像を、俺の代わりにとってきてくれ」と亡くなる前に告げられており、その言葉を元に、赤い橋のたもとの家に向かいます。

その家から出て来た女声、サエコのあとを彼は追うことになります。
すると、彼女はスーパーで怪しげな行動をとっていたのです。
さらに、彼女の立ち去った後には、なぜだか銀色のイヤリングが沈んでいる、奇妙な水たまりができているのを見てしまい…。

映画『赤い橋の下のぬるい水』の解説

この映画は、辺見庸さんの小説、「赤い橋の下のぬるい水」を原作に、「復習するには我にあり」「ええじゃないか」などの作品で知られている、今村昌平さんが監督を務めた作品です。

この作品は、2001年11月3日に公開され、カンヌ国際映画祭にノミネートされました。
受賞は逃してしまったものの、公式上映後の、2500人もの人々を収容する大劇場ルミエールでは、拍手喝采が鳴り止まないほどの評価を得ました。

今村昌平さんは、日本人監督では亡き黒澤明監督に次ぐ、海外からプリセールス=映画の完成前に外国の配給会社と契約の声が掛かるほどの存在です。

映画『赤い橋の下のぬるい水』のみどころ

この映画の見どころは、水を巧みに使った演出にあると思います。
特殊な男女が出会い、その空気感や交わりを、水の緩やかな滴りによって表現されているのに監督の技量を感じました。

心情を水といった現象を用いて表現する方法はまるで小説のようで、とても文芸的だと思います。
この作品は全体的に、映画というより小説のような魅力に溢れている様に感じます。

また、人間の持っている独特なリアリティを追求しつつも、和やかさや希望を表現して要ることに感動しました。おとぎ話の様な設定と世界観に、つい飲み込まれてしまいそうになります。

映画『赤い橋の下のぬるい水』の感想

今村監督の技量や工夫が詰まった本作は、小説のような独特の魅力にあふれた作品になっています。
不思議なくらい耳に残る音楽と、鮮やかな映像美に心を奪われてしまいます。
興味を持った方は、ぜひ一度見てみてください。

映画『赤い橋の下のぬるい水』の登場人物・キャスト

笹野陽介:役所広司
逢沢サエコ:清水美砂
黒眼鏡・釣りの老人:中村嘉葎雄
ヒゲ・釣りの老人:ミッキー・カーチス
ハゲ・釣りの老人:矢野宣
山田昌子:坂本スミ子
魚見新太郎:北村有起哉
田上美樹:小島聖
立花泰造:ガダルカナル・タカ

映画『赤い橋の下のぬるい水』のスタッフ

監督:今村昌平
原作:辺見庸『赤い橋の下のぬるい水』(文藝春秋刊)、『くずきり』(『ゆで卵』所収、角川書店刊)
脚本:冨川元文、天願大介、今村昌平
音楽:池辺晋一郎
撮影:小松原茂
美術:稲垣尚夫
編集:岡安肇
照明:山川英明

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