1998年1月23日に公開された映画『影の列車』。
この記事では、映画『影の列車』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。
映画『影の列車』の予告編
≪映画『影の列車』・予告編≫
1930年の11月、ある朝にアマチュア映画監督の男性が湖で行方不明になってしまいます。
ゲリン監督は、その男がかつて撮影していた自宅前での家族の姿を撮ったモノクロフィルムを修復し、そこで家族たちが暮らしていた邸宅や、周りの風景などを色鮮やかな映像で捉えていきます。
しかし、現代の映像の中に、男の失われた家族の姿が現れ…。
映画『影の列車』のあらすじ(ネタバレなし)
1930年の11月8日の朝、行方不明となっていた弁護士、ジェラール・フルーリがかつて彼の家族の亡くなる数ヶ月前に撮っていた家族映画が、劣化しつつも遺っている、といった舞台から始まります。
その情報を手にしたゲリン監督は、これに加工と修復を重ねて、この映画で見れるようにした、と画面に現れます。
映画はそのジェラール・フルーリのプライベートフィルムの世界と現代の世界を行き来します。
現代シーンでは幻想的かつ猟奇的な雰囲気を、プライベートフィルムの世界では詩的な情緒のある雰囲気を描き出しています。
しかし、現代の映像の中に、行方不明になった彼の姿が…?
映画『影の列車』の解説
この映画はフランスの北西部、オート=ノルマンティ地方のウール県ル・テュイにて、スペインの監督ホセ・ルイス・ゲリンが16ミリと35ミリの素材を使って撮った前衛的メロドラマです。
1896年にリュミエール兄弟のシネマトグラフが公開されてから100年目の年に製作されました。
1997年5月13日に第50回カンヌ映画祭「監督週間」にてプレミア上映されました。
そして同年12月13日にポルトガルで公開され、さらに1998年1月23日にはスペインで公開されました。
また、2012年6月30日から、東京の渋谷シアター・イメージフォーラムにて上映されました。
映画『影の列車』のみどころ
この映画の最大の魅力は、やはりその映像美にあると思います。
室内場面のいくつかはスペインのバルセロナにて撮影されており、現地ならではの情緒や美しさを醸し出しています。
またこの映画は過去と現在の時代の行き来が、光と影の幻想的な効果によってドラマティックに描かれています。
当時のフィルムカメラならではのあの味わい深さも堪能しつつ、画面いっぱいに広がる鮮やかな映像を感じることができ増す。
さらにこの映画は、セリフがほとんどありません。
なので観客は映画の映像の細部まで見ることができて、じっくり映像を楽しむことができます。
映画『影の列車』の感想
この映画は、外国レトロな雰囲気を楽しみたい方にとっては最高な映画だと思います。
いくつもの世界的な会場で上映されるほどのクオリティの高さ、圧倒される映像美、前衛的なメロドラマです。
記録映像の美学を堪能できる映画です。
映画『影の列車』の登場人物・キャスト
オルタンス・フルーリ:ジュリエット・ゴルディエ
エティエンヌおじ:イヴォン・オルヴァン
若い娘:アンヌ=セリーヌ・オーシュ
映画『影の列車』のスタッフ
監督:ホセ・ルイス・ゲリン
撮影:トマス・プラデヴァル
録音:ダニ・フォントロドナ