1998年7月18日に公開された映画『風の歌が聴きたい 』。
この記事では、映画『風の歌が聴きたい 』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。
映画『風の歌が聴きたい 』の予告編
≪映画『風の歌が聴きたい 』・予告編≫
キャッチコピーは、「笑った、走った、泣いた、いつも元気。」
風の島とも呼ばれる、沖縄・宮古島を舞台に、聴覚障がいを持った実在する夫婦が、困難を乗り越えながらお互いのきずなを深めていく物語。
中等部時代の二人の出会い~夫・昌宏のトライアスロンに挑戦する姿、妻・奈美子の妊娠と出産などを軸に、それを支える周囲の人々との出会いを通して、それぞれの半生を描きます。
映画『風の歌が聴きたい 』のあらすじ(ネタバレなし)
福島県に住む主人公の高森昌宏は、幼いころの病気が原因で聴覚障がいを患います。
中学2年生の時、全国のろう学校に手紙を送り、文通相手を探していたところ、同じく聴覚障がいを持つ、北海道・函館在住の奈美子とやり取りをすることに。
ロックが好きな昌宏と、物静かで絵が得意な奈美子は、趣味も性格も正反対ですが、デートを重ね手話を通してコミュニケーションをとるうち、お互いと特別な存在として意識するようになり、やがて結婚。
その後昌宏は、宮古島で行われるトライアスロンの大会に参加したことをきっかけにその魅力にのめりこんでいきます。
その姿に触発され、やがて奈美子も大会に参加するように。
二人は、トライアスロンを通じて夫婦のきずなを強めていき、やがて奈美子は妊娠、函館の病院で出産のときを迎えます。
映画『風の歌が聴きたい 』の解説
1998年7月18日公開の日本映画。監督は「時をかける少女」の大林信彦さん。主人公の昌宏役は天宮良さん、妻の奈美恵役に中江有里さん。
主題曲は「風の歌が聴きたい」。
この曲は、歌手の森久美子さんが、エンドロールで手話を用いながら歌唱しています。
脚本は、「三毛猫ホームズの推理」の中岡京平さんと「旅の涯て」の内藤忠司さんが、大林監督と共同執筆です。
TBS系テレビ・ドキュメンタリーでも紹介されたことのある、トライアスリートである高島良宏・久美子さん夫妻をモデルにしています。
文部省選定、厚生省推薦、中央児童福祉審議会特別推薦、第10回東京国際映画祭特別招待作品です。
上映時間は161分です。
映画『風の歌が聴きたい 』のみどころ
聴覚障がいという「個性」を持った二人が、すれ違いを経験しながらも夫婦として成長し、家族となっていくところが見どころです。
聴覚障がい者の話なので、セリフはほぼなく、主人公の昌宏(天宮良)と奈美子(中江有里)の感情は、手話と自らの表情だけで表現されます。
二人の演技力の高さは必見です。
また、奈美子の表情は、女性のかわいらしさがとてもよく伝わり、男性は魅了されるのではないでしょうか。
手話というコミュニケーション手段が、いかに多くの情報を伝えてくれるのか、その魅力を知ることもできます。
空撮シーンの美しさも必見です。
映画『風の歌が聴きたい 』の感想
ハンディキャップを持ちながらも、明るく爽やかに生きる二人の姿に、勇気と元気を分けてもらえます。
手話の勉強にもおすすめです。
「時をかける少女」をはじめとする、ファンタジー作品でよく知られている大林監督ですが、この作品では実在の人物をモデルにしているので、実直なメッセージが伝わってきます。
ドラマティックな展開があるわけではありませんが、観終わったあと、あたたかな気持ちになれる映画です。
映画『風の歌が聴きたい 』の登場人物・キャスト
高森昌宏:天宮良
高森奈美子(旧姓・早瀬):中江有里
早瀬敦夫:勝野洋
早瀬照子:入江若葉
早瀬藍子:及森玲子
高森昌之:石橋蓮司
高森すみ:左時枝
緒方弘:林泰文
真壁増雄:河原さぶ
天野淳(じゅん):古代真琴
聾学校の教師:峰岸徹
鳥羽聡美:高橋かおり
美馬院長:岸部一徳
ベテラン看護師:絵沢萠子
ラーメン屋の女将:根岸季衣
滝先生:嶋田久作
北沢香織:柴山智加
センターの担当者:奥村公延
映画『風の歌が聴きたい 』のスタッフ
監督 – 大林宣彦
脚本 – 中岡京平、内藤忠司、大林宣彦
原案 – 高島良宏、小田大河
製作 – 大林恭子、根田哲雄、芥川保志
プロデューサー – 大林恭子、芥川保志
撮影 – 坂本典隆
トライアスロンB班撮影 – 今関あきよし
美術監督 – 竹内公一
装飾 – 河合良昭
音楽 – 學草太郎(大林宣彦)
音楽プロデューサー – 加藤明代
録音 – 中村裕司
照明 – 西表灯光
衣裳 – 千代田圭介、東宝コスチューム
助監督 – 蘆田完、南柱根
スクリプター – 土居久子
スチール – 石原宏一
日本語字幕 – 飯村康子