映画『平成狸合戦ぽんぽこ』あらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想

映画

1994年7月16日に公開された映画『平成狸合戦ぽんぽこ』。
この記事では、映画『平成狸合戦ぽんぽこ』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。

映画『平成狸合戦ぽんぽこ』の予告編

≪映画『平成狸合戦ぽんぽこ』・予告編≫

人間たちの開発計画で自分たちの住む場所を追われる危機が迫った狸たちが、使われなくなった化学(ばけがく)を復興させ、自分たちの住む場所を壊そうとする人間たちに戦いを挑んでいきます。
若い狸たちはベテラン狸から化学(ばけがく)を学び、あれやこれやアイデアを出しながらなんとか人間に開発をあきらめさせるために試行錯誤していきます。

映画『平成狸合戦ぽんぽこ』のあらすじ(ネタバレなし)

昭和40年、多くの緑のある多摩丘陵で平和に暮らしていた狸たちは、自分たちの住む山や森を人間たちが多摩ニュータウン開発計画で破壊しようとしています。
それを知った狸たちは結集し、総会を開いて開発を阻止をすることを決議します。
そのための手段として、伝統的な変化術・化学(ばけがく)を復興させ、四国と佐渡の高名な化け狸たちに助けを求めることを決めました。
ベテランの狸の火の玉おろくは若い狸たちに化学の基礎を叩き込みました。
年が明けた頃に術を学んだ若い狸たちは、建設現場にむかい開発に抵抗してトラックを事故に合わせたり、お化けに化けて人間を驚かします。

映画『平成狸合戦ぽんぽこ』の解説

高畑勲監督が原作・脚本・監督の三役を務めた初のオリジナル作品です。
スタジオジブリが東小金井に新しく建てた社屋で、初めて製作された長編アニメーション映画作品となります。
ジブリの長編アニメ映画としてナレーションと実写映像が挿入されている唯一の作品です。

狸映画を作ろうと考えた宮崎駿氏と鈴木敏夫氏が、そこに高畑勲氏も迎えました。
当初、高畑氏は『平家物語』の映像化を試みるも、なかなか実現に至らず、宮崎氏と鈴木氏の考えたアイデアをもとに狸の平家物語としてオリジナルの物語を執筆しました。
そして、多摩ニュータウン開発を巡り、狸たちが人間たちに変化の術を使って戦いを挑む様子を物語にしました。

映画『平成狸合戦ぽんぽこ』のみどころ

狸が人を化かす昔話をベースにしたアイデアが映像にふんだんに生かされ、どれも秀逸で見ごたえがあります。
他にも童謡や妖怪など、子供のころ一度は聞いたり見たことのある歌や話が物語に多く登場するのも見どころの一つです。
映画に流れるナレーションの語り口は軽妙ですが、テーマは自然破壊という重い社会問題を扱っています。
狸たちの化け合戦は当事者たちは真剣だけど、時にアイデアが可笑しく、楽しんでるようにも見えます。
ジブリ映画のデフォルメされた狸たちがユーモラスでダイナミックに画面いっぱい暴れまわる様子はとても楽しい映像になっていて、豪華な有名人の声の演技がそれに華を添えています。

映画『平成狸合戦ぽんぽこ』の感想

この映画は昭和40年という高度成長期の真っただ中、大きな開発がすすんだ時代背景をよく反映しています。
このころはまだ大きく取り上げられてはいませんが、環境破壊の問題も出だした頃になります。
今もなおそのテーマは解決に至っていないので、現在にも通じる作品になっていると思います。

映画『平成狸合戦ぽんぽこ』の登場人物・キャスト

語り 古今亭志ん朝  
正吉役 野々村真  
おキヨ役 石田ゆり子  
鶴亀和尚役 柳家小さん  
おろく婆役 清川虹子  
権太役 泉谷しげる 
青左衛門役 三木のり平  
ぽん吉役 林家こぶ平  
文太役 村田雄浩  
玉三郎役 神谷明
佐助役 林原めぐみ  
六代目金長役 桂米朝  
太三朗禿狸役 桂文枝  
隠神刑部役 芦屋雁之助  
お玉役 山下容莉枝  
小春役 黒田由美 
花子役 永衣志帆  
お福役 水原リン  
林役 加藤治  
竜太郎役 福澤朗  
水木先生役 藤本譲
地元の人役 北村弘一  
正吉が化けた子供役 稲葉祐貴  
おキヨが化けた子供役 江碕玲菜  
屋台の客役 矢田稔、中庸助  
警察官役 森川智之 
年上の警察官役 岸野一彦  
飯場のAさん役 小関一  
用心棒役 江川央生  
狸を見た兄役 林勇  
狸を見た妹役 児玉英子 
機動隊員役 藤巻直哉  
キャスター役 阿川佐和子  
アナウンサー役 石川牧子、岩隈政信、芦沢俊美、永井美奈子、保坂昌宏、舛方勝宏 
世間まる見えテレポーター リポーター役 井口成人  
女タヌキ役 鈴木弘子  
吟う女タヌキ役 佐久間レイ  
女タヌキ族長役 峰あつ子 
男タヌキ族長役 西村智博  
親衛隊に化けたタヌキ役 菅原淳一、石川ひろあき  
男タヌキ、坂東尚樹、関智一

映画『平成狸合戦ぽんぽこ』のスタッフ

制作スタジオジブリ
プロデューサー 鈴木敏夫
企画宮崎駿 
原作、脚本、監督 高畑勲(徳間書店刊)
原案 『阿波狸合戦』、杉浦茂『八百八狸』(集英社)、井上ひさし『腹鼓記』(新潮社文庫)
原案協力 水木しげる ・絵コンテ 高畑勲、百瀬義行 
音楽 古澤良治郎、上々颱風(紅龍、渡野辺マント、後藤まさる、安田尚哉) ・唄 上々颱風(猪野陽子、白崎映美、西川郷子)
イメージボード 百瀬義行、大塚伸治 ・画面構成 百瀬義行
キャラクターデザイン大塚伸治
作画監督 大塚伸治、賀川愛 ・作画監督補佐 河口俊夫、箕輪博子

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