2016年7月14日に公開された映画『ありがとう,トニ エルドマン』。
この記事では、映画『ありがとう、トニ エルドマン』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。
映画『ありがとう、トニ エルドマン』の予告編
≪映画『ありがとう、トニ エルドマン』・予告編≫
悪ふざけが大好きな父親・ヴィンフリートと、コンサルタント会社で働く娘・イネスの心の交流を描いた作品です。
仕事に追われるイネスを心配したヴィンフリートは、イネスの様子を心配して彼女の働くブカレストを訪ねます。
数日間共に過ごした後にイネスはヴィンフリートを送り出すが、ヴィンフリートは”トニ・エルドマン”という別名を名乗り、彼女のもとに再び訪れます。
映画『ありがとう、トニ エルドマン』のあらすじ(ネタバレなし)
悪ふざけが大好きな父親・ヴィンフリートは自宅で飼っていた愛犬を失ったことをきっかけに、ブカレストでコンサルタント会社の社員として働く娘・イネスのもとを訪れます。
ヴィンフリートはイネスと共に数日間過ごすうちに仕事に追われて心身ともに磨耗した娘の姿を目の当たりにします。
イネスはしばらく滞在した父親を見送ります。
しかし、その後”トニ・エルドマン”と名乗り、別人のふりをしたヴィンフリートがイネスの前に現れます。
トニ・エルドマンとして、職場やレストランに現れる父親の理解不能な行動にイネスは苛つきながらも、親子は次第にお互いの心を癒していきます。
映画『ありがとう、トニ エルドマン』の解説
2016年のドイツ・オーストリア作品で、監督はマーレン・アデです。
マーレン・アデ監督は、前作の『恋愛社会学のススメ』でベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞しています。
『ありがとう、トニ・エルドマン』も第69回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門でプレミア上映され、FIPRESCI賞を獲得しました。
また、第29回ヨーロッパ映画賞では女性監督の作品として、史上初の作品賞を受賞し、第89回アカデミー賞外国語映画賞にはドイツ代表作としてノミネートをされました。
本作は批評家からも好評を博し、フランスの『カイエ・デュ・シネマ』誌では年間1位を獲得しました。
映画『ありがとう、トニ エルドマン』のみどころ
この作品の見どころは、ヴィンフリートとイネスが織りなす、父と娘の不器用な心の触れ合いです。
お互いのことを心配し、深く愛し合っていても、それをうまく表現できない二人のやり取りは一見ユニークではありながらも心に迫ってくるものがあります。
また、トニ・エルドマンことヴィンフリートが巻き起こす奇想天外な行動にもぜひ注目していただきたいです。
トニ・エルドマンの行動は娘を思いやる父親として微笑ましくもありがながら、娘にしてみれば少し困ってしまうだろうなという絶妙なバランスがあり、この作品の不思議なユーモアを強く印象付けています。
映画『ありがとう、トニ エルドマン』の感想
父親と娘の関係性の繊細さを独特のユーモアで表現した作品です。
しかし、不器用に傷つけ合いながらも揺るぎない父と娘の絆には思わず涙を流してしまうことでしょう。
今後のマーレン・アデ監督の活躍がとても楽しみです。
映画『ありがとう、トニ エルドマン』の登場人物・キャスト
ヴィンフリート/トニ・エルドマン:ペーター・シモニスチェク
イネス:サンドラ・フラー
ヘンネベルク:ミヒャエル・ビッテンボルン
ゲラルト:トーマス・ロイブル
ティム:トリスタン・ピュッター
タチアナ:ハデビック・ミニス
ステフ:ルーシー・ラッセル
アンカ:イングリッド・ビス
イリエスク:ブラド・イバノフ
フラヴィア:ビクトリア・コチアシュ
映画『ありがとう、トニ エルドマン』のスタッフ
監督:マーレン・アーデ
製作:ヤニーネ・ヤツコフスキー
ヨナス・ドルンバッハ
マーレン・アーデ
ミヒェル・メルクト
脚本:マーレン・アーデ
撮影:パトリック・オルト
美術:ジルケ・フィッシャー
衣装:ギッティ・フックス
編集:ハンケ・パープリース